9months co. STAFF’S BLOG

9months スタッフが日々感じた事やあった事をつづります。

時代が変わる。時代は回る。

米音楽界最大のイベントとなるグラミー賞
2月13日に米ロサンゼルスにて第53回授賞式が開催されました。

大方の予想を覆し、カントリーグループ「Lady Antebellum」が最多の5冠を達成しました。



<ノミネートアーティスト抜粋>
Lady Gaga
【Justin Birber】
【Ceelo Green】
Jay-Z + Alicia Keys
Eminem feat.Rihanna】 etc...


当然の事ながら、日本でも良く耳にする名前ばかりですよね。

昔は“向こうで流行った音楽が1年遅れて日本にやってくる”なんて言われていましたが、最近では、街を歩いていれば海の向こうで流行っている音楽もリアルタイムで聞こえてきますし、あまり“音楽的時差”はないのかもしれないですね。


「配信」という手段が普及し、レコード店に行かなくとも、世界中の“色んな音”を拾い上げる事が可能になりました。
今や、様々な方法で世界中の音が瞬時に手に入ってしまうわけです。




そしてコレは日本の音楽業界に大きな影響を及ぼしています。

だからこそ、と言うべきかもしれませんが、CDショップは“売れる”ではなく“売れている”ものしか仕入れをしなくなりました。

その結果…とまで言い切るつもりはありませんが、昨年、日本の音楽シーンにはとんでもない事件が起こりました。



<2010年オリコンシングル年間TOP10>

第1位  BeginnerAKB48(95万4283)
第2位  ヘビーローテーションAKB48(71万3275)
第3位  Troublemaker【嵐】(69万8542)
第4位  Monster【嵐】(69万6022)
第5位  ポニーテールとシュシュAKB48(65万9959)
第6位  果てない空【嵐】(65万6343)
第7位  Lφve Rainbow【嵐】(62万0057)
第8位  チャンスの順番AKB48(59万6769)
第9位  Dear Snow【嵐】(59万1207)
第10位 To be free【嵐】(51万6142)


 と AKB48 しかいない。 


決して、この2組を批判しているわけではありません。
いつの時代もアイドルグループは上位に入ってきますし、楽曲のクオリティは日本というマーケットを考えたとき、素晴らしいものだと思います。
間違いなくこの2グループはモンスターですから。


ちなみに第11位は【KAT-TUN】の「Love yourself 〜君が嫌いな君が好き〜」。
そして“バンド”がランキングに登場するのは第36位のBUMP OF CHICKEN】「HAPPY」の15万7324枚。



そりゃ、レコードショップも潰れていきますよね。

大変失礼な言い方かもしれませんが、自業自得だと思ってしまいます。

今のレコードショップには、オーディエンスがお店に足を運ぶ楽しみ、すなわち「まだあまり知られていない自分だけの音」を発掘する楽しみが少なくなってしまった。

目当てのモノを購入するだけならば、家でマウスをポチッとした方がよっぽど早いわけですから。



まぁ、時代が変わったんでしょうね。
ポジティブに考えれば、ミュージシャンはチャートにくくられずに良い音楽を目指す時代であるわけです。
だって、ただの音楽好きがお金がなくても世界に自分の曲を配信できる時代ですから。


昔に比べて、外の世界へ簡単に音楽を発信できるようになった分、どの方法も「一発大当たり!」しづらくなったんでしょう。

そもそもこんな戦場では一発なんて当たらないし“夢の印税生活”といった「お金」が目当てであれば、真っ先に外すべき職業かもしれません。

野外フェスで何万人もの観客の前で演奏したバンドが、家に帰った次の日にはバイトへ行く。

悲しいかな、これが現実かもしれません。


どんな音楽も簡単に手に入るようになったのに、実際には誰も耳を傾けなくなってしまった。
そして当然のように、インスタントに生まれた音はインスタントに消えていく。

それに気付かないほど、私たちオーディエンスはバカじゃない。



No Music , No Life



今は“時代は変わる”よりも“時代は回る”という言葉を頼りに、良い音を探し続けようと思います。

こんな時代をひっくり返してしまうような、スゲースゲーモンスターが出てくるのを待ちながら。




批判も多々あるかと思いますが、たまにはこんな風に中学生的な偏った感覚も大切に生きていきたいです。


というより、生まれてくるベイビーが「ミュージシャンになる」って言ったら、どーやって諦めさせようか悩んでるだけです。